「二人一組になってください」
体育の授業で先生がこう言った瞬間、教室がざわめいて、友達同士でさっと組を作っていく。でも、あなたはどうでしたか?すぐにペアが見つかりましたか?それとも、最後まで一人で立っていた経験はありませんか?
今回紹介する小説は、そんな誰もが一度は経験したことのある「あの瞬間」を題材にしたホラー小説です。
この本を読んだきっかけ
実は私がこの本を知ったのは、ビブリオバトル全国中学生大会での一人の中学生のプレゼンがきっかけでした。
その中学生が、この『二人一組になってください』について熱く語る姿を見て、「普段本をたくさん読む大人の私でも知らない作品を、中学生がこんなに夢中になって紹介している」ことに驚いたんです。
中学生の等身大の視点から語られるこの本の魅力に、すっかり引き込まれてしまい、すぐに購入して読みました。そして実際に読んでみると、確かにこれは中学生の心に響く作品だと納得しました。
普通の日常が、なぜか怖い
この作品の面白いところは、特別なことは何も起きていないのに、なんだかゾクッとしてしまうところです。
学校の体育館、クラスメイトたち、そして先生の「二人一組になってください」という声。すべて日常の風景なのに、ページをめくる手が止まらなくなります。
作者は血みどろなシーンや派手な恐怖演出に頼っていません。代わりに、私たちの記憶の奥底にある「あの時の嫌な気持ち」を丁寧に掘り起こしてくれます。
「いじめ」について考えさせられる
この小説のもう一つの魅力は、現代の学校が抱える「いじめ」という問題に真正面から向き合っていることです。
でも説教臭くありません。読んでいると自然に「自分だったらどうするだろう?」「もしかして自分も知らないうちに誰かを傷つけていたかも?」と考えてしまいます。
特に印象的なのは、いじめる側になる人も、最初から悪い人ではないということ。なんとなく、空気を読んで、周りに合わせているうちに...という展開がリアルで怖いです。
読書が苦手な人にもおすすめな理由
普段あまり本を読まない方にこそ読んでほしい理由がいくつかあります:
1. 短時間で読める
長編小説ではないので、気楽に最後まで読めます。
2. 難しい言葉が少ない
中高生でも読めるように書かれているので、サクサク読み進められます。
3. 身近な題材
学校生活という誰もが経験したことのある舞台なので、すぐに物語の世界に入り込めます。
4. 話題にしやすい
友達や同僚との会話のネタにもなります。「あの時どうだった?」なんて昔話で盛り上がれるかも。
少し気になったポイント
ただ一つ、読んでいて心配になったのは、実際にいじめられた経験のある人が読んだときのことです。
この作品は「いじめられる側にも原因があったのかも」と読める部分があります。もちろん作者にそんな意図はないと思いますが、傷ついた経験のある人が自分を責めてしまわないか少し心配になりました。
もし読んでいて辛くなったら、無理せず本を閉じてくださいね。
まとめ:読書のきっかけにぴったり
『二人一組になってください』は、ホラー小説としてはもちろん、現代社会を考えるきっかけとしても価値のある一冊です。
普段本を読まない人も、きっと最後まで一気に読んでしまうはず。そして読み終わった後は、きっと誰かとこの本について話したくなります。
学生時代を思い出しながら、ちょっとドキドキしたい方は、ぜひ手に取ってみてください。
元の画像は省略しました。