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ショッピングモールの渋滞がなぜ発生するか構造的に分析

【現地調査レポート】国道168号線 平群町区間の交通環境を歩く(総括)

2025年6月の現地調査を通じて、奈良県平群町の国道168号バイパス周辺における歩行者環境・交差点構成・道路容量など、現地の実態を多角的に観察した。

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1回目

【現地調査レポート】国道168号線 平群町区間の交通環境を歩く(1道の駅前〜旧国道合流まで) - asklib

2回目

新商業施設周辺の交差点密集区間レポート|信号新設と道路改良の現地調査 - asklib

3回目 

【現地調査】国道168号線の複雑交差点を徹底解析|奈良県の混乱しやすい道路構造レポート第3弾 - asklib

総括(これ) 国道168号線平群町区間 交通インフラ現地調査総括レポート|歩行者環境と道路容量問題の実態分析 - asklib

歩行者環境

歩行者環境

現状での課題

 歩行者がわざわざ国道を60メートル以上迂回して渡らなければならない構造が存在。これは今回の整備で解消されると期待される。

押しボタン式信号

 歩行者用信号が「押しボタン制御」である点は、信号の運用次第で通行のしにくさを生みうる。今回の工事で恒常青に変わるかどうかは未定。

片側のみの歩道区間

 一部では西側に歩道がなく、東側に導線を振る構造が存在。今回の整備でこれが改善される兆しは見えない。

自動車環境

抜け道利用の危険性

商業施設の開業により、東側住宅街を抜け道として使う車両の発生が危惧される。特に道幅4m未満・線形が悪い箇所が多く、安全確保が困難。現時点での対策は舗装や誘導程度であり、物理的進入防止策(ポール等)の導入も検討されるべきだ。

片道1車線の限界

調査区間は片道1車線であるが、交通量に対して明らかに容量不足。実際、同じ町内でも北側は片道2車線で整備されており、南側とのギャップが大きい。

広域交通の視点

国道168号線は生駒〜香芝を結ぶ基幹ルートであり、さらに南側には国道25号線との共有区間が存在する。この共有区間も片道1車線であることから、以下のような交通需要がボトルネックを生む可能性がある:

概算トリップボリューム(最大想定時): 区間性質推定交通量(台/時) 北側(2車線区間) 幹線道路 約1,500 + 北側生活道路 生活道路 約600 = 約2,100 南側(168号) 幹線道路 約800 + 南側(県道経由) 幹線道路 約600 = 約1,400 この区間は 幹線道路 約800 = 約800 → 上記の8割がこの1車線区間流入すると仮定しただけでも、すでに道路容量の限界を超える。 であるから歩行者を犠牲にしてまでも車を優先的に処理する計画になったのであろう。 ただ、今回の開発で歩行者用信号が歩行者導線上に設置されるなど、かなり改善される。

今後の課題

現地の構造を見れば、「歩行者空間の調整」「旧道の合流制御」「信号間距離の調整」など、平群町としてできる限りの対応はなされているように感じた。

ただし、これはあくまで「現状の容量内でどうにか凌ぐ」ための策であり、根本的にはもっと上位の都市計画レベルでの解決(バイパス・拡幅)が必要である。

単独自治体で動かすにはスケールが大きく、県・国の協調による広域整備が不可欠であろう。

広域交通

● 最後に 今回の整備が導くもの、それは「町がやれることはやった」という限界の線引きにも見える。

あとは新商業施設から生活道路への不適切な流入をどう防ぐか?が、平群町交通政策の肝になっていくように思われる。

では!また次の現地調査で!!

P.S. もし交通アセスメントや設計資料など、公開可能な範囲でご提供いただけるものがあれば、さらに深い検討ができると思います(もちろん守秘義務は厳守します)。 分析結果も、情報提供いただいた方に限定してフィードバックいたします。


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