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ショッピングモールの渋滞がなぜ発生するか構造的に分析

第5話(番外編)ディズニーが使う「帰宅分散マジック」

「強制しない」帰宅分散の仕組み

渋滞は「一斉に帰る」ことで発生します。 これは車でも鉄道でも同じです。

だからこそ、帰る時間を“自然に”分散させる仕組みが必要になります。

ディズニーランドは

・閉園後もしばらく開いているお土産ショップ
・ショッピングモール
・リゾートライン(モノレール)
・周辺ホテル

こうしたサービスがあることで、ゲストは自然に次のような行動をとります。

  • 買い物したいから、お土産ショップに寄る
  • ゆっくりしたいから、レストランに入る
  • 疲れたから、モノレールに乗る
  • せっかくだから、ホテルに泊まる

来園者は自分の意思で行動しているつもりです。 しかしその「自然な行動」の一つひとつが、気づかないうちに帰宅のタイミングを分散させる仕組みになっています。

「人を動かすのではなく、人が自然に動きたくなる環境を作る」

京葉線が生んだ湾岸レジャーネットワーク

さらに状況を変えたのが 京葉線の全線開通です。

京葉線は単なる通勤路線ではなく、湾岸の大型レジャー施設を結ぶ観光路線でもあります。

沿線には

・幕張メッセ
・千葉マリンスタジアム
・葛西臨海水族園
・葛西臨海公園

などが並び、湾岸エリア全体で観光ネットワークを形成しており。 しかも東京駅から乗り換えなしで来られるメリットは非常に大きいです。

統計データから見る当時の来園者像

交通手段別

交通手段 60年度 (%) 61年度(62.1まで) (%)
マイカー 41.1 43.5
浦安直通バス 23.1 19.8
東京駅ルート 9.7 9.0
上野駅ルート 0.6 2.8 (60年12月開通)
成田空港ルート 0.0 0.1 (60年度輸送約4500名)
タクシー 4.0 3.8
観光バス 21.5 21.0
合計 100 100

京葉線が開業する前のデータで、マイカー利用が圧倒的に多いことが分かります。 次いで浦安駅(鉄道)ですが、観光バスが2割を超えている点が興味深いです。 これはディズニーらしい特徴で、実際に「個人客80%・団体客20%」というデータとも一致します。

出発地別

出発地 割合 (%)
関東 63
中部 10
関西 6
東北 4
その他 8
海外 9

こちらも京葉線開業前の古いデータです。 当時はまだ“インバウンド”という言葉すら一般的ではありませんでしたが、 それでも 外国人が約1割 を占めています。 ディズニーランドが初期から国際的な人気を持っていたことが分かります。

また、関東からの来園が63%と非常に多く、 リピート客に支えられた愛される施設 であったことも読み取れます。

ということで、ディズニーランド駐車場マジックを紹介しました。

参考文献一覧

  • 月刊交通 1983年11月号(国立国会図書館で閲覧可能)
  • 実業往来 388号(1984年9月)
  • 実業往来 494号(1993年8月)
  • 実業往来 548号(1998年2月)
  • 宣伝会議 33号(1986年11月)
  • Mobility 67号(1987年4月)
  • 道路 581号(1989年7月)
  • オリエンタルランド公式WEBサイト
  • 地理院地図

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