基本情報
- 所在地:愛知県安城市
- アクセス:JR東海道本線「安城」駅 徒歩約10分、名古屋鉄道西尾線「北安城」駅 徒歩約15分
- 敷地面積:約105,500m²(約31,900坪)
- 延べ床面積:約171,000m²(約51,700坪)
- 駐車台数:約3,500台(無料)
立地特性 ららぽーと安城は、JR東海道本線の北側、県道76号線との間に位置する。この県道76号線が片道1車線道路であり、メインの出入口道路となっている。
アクセス構造の分析

周辺道路の交通量実態(オープン前ベースライン)
道路車線MAPに示された12時間交通量データ(ららぽーと安城オープン前):
- 県道岡崎半田線(県道76号線)(施設北側):9,726台(混雑度0.25)
- 県道岡崎半田線(施設西側):7,719台(混雑度0.26)
- 県道安城碧南線(施設東側):11,931台(混雑度1.31)
重要な前提:これらの数値は施設オープン前の状態であり、現在はこの交通量に3,500台分の駐車場利用による大幅な交通量増加が加算されている。
道路アクセスの構造と制約
出入口は以下の3箇所:
- 西口:県道76号線から直接アクセス
- 東口:県道76号線から直接アクセス(右折渋滞、生活道路からの侵入問題)
- 南口:西側踏切手前の脇道からアプローチ(左折イン・右折アウトのみ)
重要な制約条件
- 南側からの右折進入が「右折禁止」により不可能
- この限定的なアクセス構造で、3,500台の駐車場需要に対応せざるを得ない状況
各入口の問題点

西口の課題
- 右折メインの入り口として設計されているが、前方の左折入庫車両による停滞が発生
- 右折待ち車両が県道本線の流れを阻害
- 左折車両の存在による混雑
東口の課題
- 左折メインの入り口だが、歩行者信号との同時青により左折車両が停滞
- 周辺生活道路からの車両流入
- 右折車両の存在による混雑
南口の課題
- 踏切の影響により前方の車一時停止が頻発
- 遮断機降下時の待機車両による渋滞発生
広域アクセスの問題
東口アプローチ時の課題
- 県道東側から東口にアプローチする際、さらに東側の信号交差点において北側からの右折車両が渋滞を誘発
南口アプローチ時の制約
- 踏切南側からの直接侵入は不可能
- 西側県道からの右折進入禁止:MAPに明記された「右折禁止」により選択肢が限定
- アプローチ経路の選択肢が極めて限定的
場内交通動線の問題
構造的課題
- ぐるぐる周回道路の不備:敷地内での円滑な車両通行が困難(ぐるぐる周回道路があれば入って来た車を一旦その道に誘導してからゆっくり駐車場選択ができる。)
- 急激な動線変更:西側入口から立体駐車場への進入時、Uターン級の急右折が必要
これらの構造的問題により、敷地内での車両滞留が発生し、それが場外の道路渋滞へと波及している。
渋滞の深刻な実態
混雑状況の詳細
- ピーク時間帯:特に休日の13:00~16:00
- 入庫待ち時間:最大120分の表示も確認
- 退場時の深刻な遅延:閉店後(21:00以降)の退場に1.5~2時間を要するケースが多発
- 生活への影響:徒歩20分程度の自宅への帰宅に数時間を要する事例
周辺地域への影響
近隣住民からは以下のような深刻な声が上がっている
- 「家の前の道路が全く動かない」
- 「外出できない」
- 生活道路としての機能が完全に麻痺
新安城駅周辺の構造的問題
この地域は元々渋滞の多発地帯であり、特に踏切が1時間のうち40分以上閉鎖されるという極度の交通阻害が存在していた。ららぽーと安城の開業は、この慢性的な交通問題を決定的に悪化させる結果となった。
実施された対策とその限界
実施された対策
市民からの深刻な要望と体験談
具体的な被害体験
市民から寄せられた具体的な要望の一例
- 午後9時の閉店後、近隣の渋滞のためか、なかなか車を出すことができず、一時間半全く動かず、帰宅できたのは二時間後
- 家の前の道路が動かないために外出がままならない
- 安城市中心部へ行くことは難しくなりました
数値的に
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出入口数 | 実質3か所(北側2か所、西側1か所) |
| 接続道路 | 北側の片側1車線道路及び西側の踏切から分岐した片道1車線道路 |
| 駐車場台数 | 3,500台(地方SCとしても巨大規模) |
🚧 論点:物理的交通処理能力 vs 駐車場流入需要
1車線で1時間当たり通せる車の台数が700台である。
これをすべて限界まで使ったとして2,100台であるが、約25%は既に開店前からつかわれているので1,500台である。
→ 3,500台を捌くには 2時間以上必要
実際には、すべての道路を限界まで使えないため、待ち行列(つまり近隣渋滞や駐車場から出られない現象)が発生するのである。
テレビ等では行動変容による渋滞対策でなんとかなるという印象を受けるが、先の試算の通りそもそもハード的に破綻しているのだ。
まとめ
- 店舗への出入口の導線問題
- 広域アクセスに於ける右折禁止や右折渋滞の誘発
- 敷地内導線で渋滞を緩和させる設計問題
- アクセス道路が片道1車線道路と踏切からの脇道に3,500台の駐車場という規模の店舗立地
- (開店前から)渋滞道路の扱い方法
であり、もともと道路キャパシティが十分余っていたわけではないのにそのまま新たな交通を生み出した結果である。
関係情報
ららぽーと安城駐車場に出口の混雑状況をリアルタイムで把握し、最適な出口への誘導を行う「エッジガイド」を本邦初※導入:東京新聞 × PR TIMES:東京新聞デジタル
施設基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | ららぽーと安城 |
| 都道府県 | 愛知県 |
| 運営会社 | 三井不動産グループ |
| 敷地面積(m2) | 105,500 |
| 延床面積(m2) | 171,000 |
| 開業日 | 2025/4 |
| 映画館 | 有 |
| 駐車台数 | 3,500 |
| 駐車料金 | 無料 |
| 最寄駅 | 北安城駅 |
| 距離(m) | 1,800 |
| 最寄り高速 | 東名高速道路 |
| 最寄りIC | 岡崎IC |
| ICからの距離 | 11,607 |
| 入口の数 | 3 |
| 駐車場の数 | 1 |
| 駐車場状況リアルタイムURL | リンク |
| GoogleMap | リンク |
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