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ショッピングモールの渋滞がなぜ発生するか構造的に分析

車社会の申し子「イオンモール明和」- 国道23号線沿いの完璧な商業立地を徹底分析

三重県多気明和町にあるイオンモール明和。国道23号線沿いに位置するこの商業施設は、現代の車社会に完璧に適応した設計で注目に値する。今回は、その立地の優秀さと車社会への最適化について詳しく分析してみたい。


地図はこちら▶(外部リンク)


立地の基本情報

イオンモール明和は、国道23号線松阪市伊勢市を結ぶ区間に位置している。駐車場台数は3,100台(無料)という大規模な収容能力を誇り、まさに車でのアクセスを前提とした施設設計となっている。

国道23号線の特徴

この施設を語る上で欠かせないのが、国道23号線の道路特性だ。

道路スペック

  • 片道2車線
  • 混雑度:0.66
  • 昼間旅行速度:46.1km/h
  • 昼間12時間交通量(上下計・小型車):20,483台

旅行速度46.1km/hという数値が示すように、この道路はかなりの速度で走行する幹線道路である。歩道は確かに整備されているものの、雑草が多く街灯も不足しており、明らかに自動車を最優先に設計された道路環境となっている。

アクセス設計

全体MAP

イオンモール明和の最も優れた点は、そのアクセス設計にある。

国道23号線の南側に店舗が位置し、3箇所の信号交差点から右左折での入出庫が可能という、極めてシンプルな構造だ。

1つ目の信号を通り過ぎてしまっても、2つ目、3つ目と、速度が乗った状態でも次の信号で減速して施設に入ることができるのだ。イオンモールの建物が横に見えてからでも十分に減速して入庫できる。通過交通の多い幹線道路沿いの商業施設として理想的な設計と言える。

2つめの信号交差点

地域との関係性

最も東側の道路は明和町役場へとつながっており、おそらく地元住民はこのルートを利用することが多いだろう。一方で、一般の来場者にとっては国道23号線からの出入口が十分に大きいため、特に意識する必要もない。

完全なる車社会対応

施設内にはガソリンスタンドまで併設されており、まさに車社会の中で構築されたイオンモールの典型例である(途中でイオンモールにリニューアルされた経緯がある)。

興味深いのは、以前は最寄り駅とイオンモール間に無料送迎バスが運行されていたが、現在は廃止されている点だ。路線バスは存在するものの、歩道の整備状況を見ても、この施設が自動車でのアクセスをメインターゲットとしていることは明らかである。

相乗効果を生む立地

イオンモールの東側には「ブライトガーデン明和」という大型商業施設があり、東側の信号交差点を渡ればすぐにアクセス可能だ。実際に現地を観察すると、徒歩で両施設を利用している人が多数見受けられ、相乗効果が生まれていることが確認できる。

ブライトガーデン

現代的な商業施設の役割

誤解を恐れずに言うなら、イオンモール明和は「大通り沿いで非常に出入りしやすく、運転に疲れた時の休憩所」としても機能している。これは現代の郊外型大型商業施設が果たす重要な役割の一つだろう。

まとめ

イオンモール明和は、車社会に完璧に適応した商業施設の成功例と言える。国道23号線という高速な幹線道路の特性を活かし、3箇所の出入口による利便性、大容量の無料駐車場、施設内ガソリンスタンドなど、あらゆる面で車利用者の利便性を追求している。

ガソリンスタンドまである

地方都市の商業立地として、また現代の消費者行動を反映した施設設計として、非常に参考になる事例である。歩行者環境の課題はあるものの、立地特性を最大限に活かした合理的な設計として高く評価できるだろう。

施設基本情報

項目 内容
施設名 イオンモール明和
都道府県 三重県
運営会社 イオンリテール株式会社
敷地面積(m2) 140,000
延床面積(m2) 45,000
賃貸面積(m2) 34,000
開業日 2001年
映画館
駐車台数 3,100
駐車料金 無料
最寄駅 漕代駅
距離(m) 11,200
最寄りIC 久居IC
ICからの距離 21,620
入口の数 5
駐車場の数 1
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