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ショッピングモールの渋滞がなぜ発生するか構造的に分析

イオンモール徳島の交通アクセスを徹底分析!~これぞ「攻めた立地」の典型例~

今回は、徳島県の大型商業施設「イオンモール徳島」の交通アクセスを分析してみたいと思います。 これが想像以上に「攻めた立地」で、様々な課題と工夫が見えてきました。


地図はこちら▶(外部リンク)


周辺MAP

立地と周辺環境

イオンモール徳島は、新町川の沿い(もう少し下流に行くと南海フェリー徳島港・和歌山行きフェリー)と徳島環状線道路の北東に位置しています。徳島環状線は片道2車線の重要な幹線道路ですが、高架構造になっているため、イオンモールに直接アクセスすることができません。

川とイオンモールの間には片道1車線の道路があり、これがメインアクセス道路となっています。この構造が、後述する交通問題の根本的な原因となっています。

駐車場の構成と特徴

メイン駐車場(2400台)

  • 収容台数: 2400台
  • 構成: イオンモール店舗周辺の立体・平面駐車場
  • アクセス: 南側の片道1車線道路から
  • 出入口: 表向きは2か所(実は隠れた出口が追加で2つ存在)
  • 距離: 店舗まで徒歩すぐ

第二駐車場(700台)

  • 収容台数: 700台
  • 立地: 徳島環状線を北側に進んだ場所
  • アクセス制限: 左折入庫・左折出庫のため徳島環状道路は南側からのみアクセス可能
  • 北方面対応: 第二駐車場東側の片道1車線道路を北から進入(南からは入庫不可)
  • 距離: 本館まで約400m(徒歩またはバス移動が必要)

西駐車場(120台)

  • 収容台数: 120台
  • アクセス: 第二駐車場への道を南側に進むとアクセス可能
  • 距離: 本館まで徒歩約100m
  • 特徴: 個人的に最も穴場だと思います!

交通容量の理論的分析

処理能力の計算

  • 片道1車線の理論容量: 約700台/時間
  • 両方向合計: 1400台/時間
  • メイン駐車場: 2400台収容

平均滞在時間を120分(2時間)と仮定すると 1時間あたりの入出庫需要 1200台

結果: 需要1200台/時間 vs 供給1400台/時間

数字上はギリギリですが、実際には信号待ちや駐車場内での移動時間を考慮すると、理論的にもかなり厳しい状況であることが分かります。そもそもイオンモール専用道ではないですし。

グランドオープン時の「厳戒態勢」と驚愕の渋滞規模

オープン時の行政の対応が凄まじかったそうです:

  • 空からの監視: なんとヘリコプターまで出動して渋滞監視
  • 隠れ出口の活用: 通常非公開の出口も総動員
  • 臨時駐車場: 遠隔地に臨時駐車場を設置
  • バス輸送: 臨時駐車場からのシャトルバス運行

それでも大渋滞は避けられませんでした。国道まで渋滞が波及しなかったそうですが、国道まで約2キロもあるんです。つまり、半径2キロ圏内の渋滞は「許容範囲」として扱われていたということでしょうか?この規模感、改めて考えると恐ろしいですね...。(1.4キロの渋滞発生もすぐに解消したからセーフ???)

この立地の構造的な課題の深刻さを物語るエピソードです。

アクセスルートの複雑さを再度見直し

高速道路からのルート

沖洲ICから沖ノ洲徳島本町線を西進し、徳島環状道路との大きな交差点を通過後、次の信号のある交差点を左折。

北側からの「トラップ」とカーナビの罠

最も注意が必要なのが徳島環状線北側からのアクセス。高架を走行中、左手にイオンモールが見えているにも関わらず、高架構造のため駐車場に入ることができません。そのまま進むと川を渡ってしまうため、長距離のUターンが必要という状況になっています。

さらに困ったことに、カーナビが「目的地に到着しました!運転おつかれさまでした!」と徳島環状道路の高架上で案内を終了してしまう可能性が高いんです。確かにGPS的には目的地に到着しているのですが、実際には高架の下にあるイオンモールには入れないという、現代のナビ技術の盲点とも言える状況です。

初回訪問の方は特に要注意ですね。

第二駐車場の課題

第二駐車場はメイン駐車場より入りやすい立地にありますが、本館から400mも離れているのが大きなネック。シャトルバスは繫忙期で10分間隔で運行されているものの、この距離が利用率を下げている要因となっています。

西駐車場:知られざる穴場

最近できた西駐車場は120台と小規模ながら、徳島環状道路の高架下を歩けば店まで約100mという好立地。収容台数は少ないものの、アクセスの良さから「穴場駐車場」として重宝しそうです。

改善案を考えてみる

地理的制約が多い中での改善は困難ですが、いくつかアイデアを考えてみました:

現実的な改善案

利用者が第二駐車場に停めるべきか否かが分かりやすいように、メイン駐車場から出庫にかかる時間をあらかじめWEBサイトや周辺の看板で告知して第二駐車場に誘導するといいと思います。 メイン駐車場で出庫に1時間かかるなら、第二駐車場にとめてバスで20分(待ち時間10分、移動時間10分程度)としても、第二駐車場の方がお得という判断ができます。

夢の改善案

徳島環状道路の高架上に直接アクセスできる交差点の新設

構造的にはかなり困難でしょうが、根本的な解決にはこれぐらいのインフラ改修が必要かもしれません。

まとめ:「攻めた立地」の典型例

イオンモール徳島は、まさに「攻めた立地」の商業施設の典型例と言えるでしょう。新町川、徳島環状線、既存市街地という地理的制約の中で、大型商業施設を成立させようという挑戦的な試みです。

交通アクセスの課題は確かに存在しますが、それでも多くの利用者に愛され続けているのは、施設の魅力やテナントの充実があってこそ。今後も様々な工夫と改善を重ねながら、地域の重要な商業拠点として発展していくことでしょう。

実用的なアドバイス

もしイオンモール徳島を利用される際は: - 平日の利用がおすすめ - 西駐車場を狙ってみる - 北側からのアクセスは要注意(カーナビの案内終了に惑わされずに) - ピーク時間を避ける - 初回訪問時は事前にルート確認を強く推奨

皆さんもぜひ、この「攻めた立地」の商業施設を体験してみてください!

施設基本情報

項目 内容
施設名 イオンモール徳島
都道府県 徳島県
運営会社 イオンリテール株式会社
敷地面積(m2) 50,000
延床面積(m2) 116,600
賃貸面積(m2) 50,000
専門店数 145
開業日 2017/4/27
映画館
駐車台数 3,220
駐車料金 無料
最寄駅 徳島駅
距離(m) 3,100
最寄りIC 徳島沖洲IC
ICからの距離 2,830
入口の数 4
駐車場の数 3
駐車場状況リアルタイムURL リンク
GoogleMap リンク

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