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ショッピングモールの渋滞がなぜ発生するか構造的に分析

イオンモール座間はなぜ混むのか~片道1車線ネットワークに巨大商業施設が集中した結果~

イオンモール座間は、開業以来「週末はとにかく混む」という印象を持たれがちだ。 立地が「超大型商業施設密集」と「信号が多い県道沿い」というダブルパンチの影響が大きい


1. 特徴

1.1 片道1車線で囲まれたモール

イオンモール座間の周囲を取り囲む道路は、すべて片道1車線です。

片道2車線のように停止している車を追い抜くことが非常に難しい道路です。 さらに、この地域は東京郊外に位置し、車の平均速度が出にくい(時速7~17km/h程度)です。

近隣MAP

1.2 半径5km圏内に大型商業施設が密集

このイオンモールからおよそ半径5kmに大量のお客さんが集まる店があります。

これらを結ぶ道路も、基本的に片道1車線道路です。迂回しないと片道2車線の道路にはなりません。

つまりこの一帯は

「片道1車線道路 × 大規模商業施設が連続配置されたエリア」

です。

近隣大型商業施設

1.3 イオンモール北側の県道50号線の信号の多さ

県道50号線は、片道1車線に加え、信号交差点が多いです。そのため信号が青色でも前が詰まっていて進めない状態が発生します。

特にイオンモール座間前後では、 100~200m間隔で信号が連続し、その間にモールの出入口が2か所並んでいます。

交通量が少ない地域であれば上手く信号のタイミングを合わせられますが、 ここは人口密集地であり、複数の主要道路を接続するこの路線ではどうしてもタイミングが合いません。

県道50号線の信号の多さ

2. その中のイオンモール構造

2.1. 公共交通より「車前提」の施設

こうしたエリアでは、本来は車より公共交通を促しますが、 ここのイオンモール

  • 最寄りの相模原駅まで約1.7km
  • バス路線はあるが、主役はあくまで自家用車
  • 駐車場は無料

という、車来館を前提とした店舗です。

2.2. 出入口は多いが、道路容量は増えない

メインアクセスは県道50号線。 東西を結ぶ片道1車線道路に対し、

  • 店舗西側・東側の信号交差点から全方向入出庫可能
  • 北側に、東→西進行車のみ左折入庫可能な入口
  • 南側(座間市道97113号線)に

    • 右左折入庫可:2か所
    • 左折入庫のみ:2か所
  • 東側にも左折入庫可能な入口が1か所

と、出入口そのものは数多く設けられています。

開業時には交差点改良や店舗前の一部車線拡幅といった対策が行われていますが、 片道1車線というネットワーク構造そのものは変わっていないため、 点での対策になります(点の対策も大事です!)

2.3. 交通データが示す「すでに限界の道路」

交通状況のデータを見ると、この道路が平常時から限界に近い状態です。

2.3.1. 相武台団地入口~新町(約1.8km)

  • 24時間交通量(上下計):約16,300台
  • 混雑度:1.49(頻繁に混む)
  • 朝夕旅行速度

    • 上り:12.9km/h
    • 下り:7.4km/h

一言で言えば、常時「流れていない」道路です。

2.3.2. 新町~下鶴間(約3.0km)

  • 混雑度:1.41(頻繁に混む)
  • 旅行速度:13~15km/h程度

こちらも余裕はなく、 需要がわずかに増えただけで渋滞が顕在化する区間です。

さらに大型車が多く通る道です(大型車混入率は17.5%)。大型車が多いと小回りが利かず全体のスピードを下げます。

特に県道50号線自体がすでに限界に近いため、 県道意外を積極的に使わなければ移動しづらい状況が常態化しています。

イオンモール近辺の道路は渋滞している

3. 利用者として楽に利用するには

3.1. 比較的マシなルートはどこか

来館者目線で見ると、 南西側の座間市道97113号線を使った入出庫が、比較的渋滞を避けやすくオススメです。

  • 県道50号線の慢性的渋滞を回避できる
  • 南側のコストコ渋滞とも干渉しにくい

ただし道はやや入り組んでおり、 誤って生活道路に入り込むと走りづらいため、カーナビの使用は必須です。

おすすめルート

3.2. 駐車場の使い方

週末や繁忙期は、 立体駐車場の2F~4Fを最初から狙うのが無難です。

平面駐車場や屋上駐車場は早い時間帯に満車になりやすいため避けた方がラクです。

また、出庫時に県道50号線が混雑している場合は、 南側の「出口NO.4」から、海老名方面推奨ルートへ抜ける方法が有効です。

この出口は、アンダーパスを通じて 道路の反対側へ出られる唯一のルートで、合流がないままイオンモールの敷地外に出られます。

このルートを使えば、 慢性的に詰まりやすい県道50号線のモール周辺渋滞ゾーンを大きく迂回でき あとはカーナビに任せて帰宅すれば楽々です。

各駐車場の状況記録はこちら:title]

4. 数字で状態を考察

ここは仮定の計算上どれだけの交通にインパクトがあるかを考察します。 (あくまでも仮定の数値で実数はとれていません。一気に車が出る時間などの変数は極力減らしてます。)

仮に一日の来店客数を3万人とする(概算)。

  • 車1台あたり2人乗車 → 約1.5万台が一日に入出庫

これを処理する道路は、

実質4方向しかない。

均等に分かれても、

  • 1方向あたり:約4,000台/日
  • 営業10時間換算 → 約400台/時間

片道1車線道路の処理能力は、おおよそ700台/時間。 つまり、

イオンモール座間の交通だけで、道路容量の約半分を占める

計算になります。

他の交通が少ない道ならいいのですが、ここはもともと渋滞している道ですので混むキッカケにはなるでしょう。

5.まとめ

イオンモール座間が混む理由は

  • 周囲を片道1車線道路に囲まれた立地
  • 特に県道50号線が平常時から混雑している

そこへ車来館前提のイオンモールがあり、すぐに渋滞に巻き込まれます。

イオンモール座間(含:イオンシネマ座間)施設概要 - asklibdata

関連: 調査施設一覧 | 地図で探す


参考文献

令和3年度 一般交通量調査結果〈可視化ツール〉