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ショッピングモールの渋滞がなぜ発生するか構造的に分析

イーアス春日井とアクロスプラザ春日井の渋滞を分析する

愛知県春日井市に立地するイーアス春日井アクロスプラザ春日井は、隣接して配置された商業施設であり、いずれも大和ハウスグループによって運営されています。

両施設は、もともと交通量が非常に多い国道19号線沿いに立地しているため、週末や繁忙期には渋滞に巻き込まれやすい環境にあります。

広域MAP

施設規模と駐車場構成

イーアス春日井

  • 西側立体駐車場(既存):2階+屋上
  • 北側立体駐車場(新設):3階+屋上
  • 平面駐車場(敷地内に点在)

駐車台数:2,120台

アクロスプラザ春日井

  • 施設前平面駐車場:約150台
  • 道路を挟んだ東側駐車場:約100台

合計:約263台

※アクロスプラザ内では駐車場の相互利用が可能 ※イーアス春日井との相互行き来は21:00まで可能

両施設を合わせると、合計2,383台を収容する、中~大規模な商業集積となります。

そのほか施設概要

近隣MAP


問題点:国道19号線はもともと混雑している

両施設は、交通量の多い国道19号線の北側に立地しています。 国道19号線は、名古屋市と多治見・長野方面を結ぶ主要幹線道路であり、平常時から交通量が非常に多い路線です。

この区間の平均走行速度は約19km/hとされており、名古屋~長野方面全体の平均(約28km/h)と比較しても、約10km/h遅い渋滞区間となっています。

その背景には、

  • 春日井IC付近で交通が集中すること
  • IC通過後に片側3車線から2車線へ減少する構造が存在すること

といった、明確なボトルネックがあります。

さらに、お盆期間などの繁忙期には、交通量が平常休日平均より約1割増加するとされており、週末利用が中心となる商業施設にとっては、特に影響を受けやすいエリアです。

なお、春日井市では渋滞状況をYouTubeライブ配信で可視化し、交通分散を促す取り組みも行われているようですが、筆者は実際の配信を確認することはできませんでした。


対応策:入庫動線に関する施設側の工夫

イーアス春日井では、国道19号線名古屋方面から走行してきた車両が、対向車を待たずに入庫できるよう、オーバーブリッジを活用した動線が整備されています。

通常、幹線道路沿いの商業施設では、右折入庫による待機が渋滞の原因となりますが、この方式では、高速道路のインターチェンジのように左側から分離して敷地へ進入することができ、対向車待ちが発生しません。

オーバーブリッジ上で駐車場までの順番待ちスペースを確保できるため、本線上での滞留をある程度抑制しています。

アクロスプラザ春日井には同様の橋はありませんが、イーアス春日井の敷地を経由してアクロス側駐車場へ進入することが可能であり、両施設は動線上で連携しています。

ただし、この対策は、名古屋方面から流入する車両には有効ですが、 長野方面(オーバーブリッジを利用しない経路)から来る車両には制約があります。

オーバーブリッジ

長野方面からの場合、国道から敷地内に入った後、約50m程度で駐車場の合流部に達してしまいます。 そのため、店舗入口付近の待機スペースが少なく、

  • 駐車場待ち
  • 歩行者横断による一時停止

が発生すると、後続車の減速・停止が連鎖し、国道まで渋滞してしまいます。


特有の条件:住宅地に囲まれた立地

本施設群のもう一つの大きな特徴は、周囲が住宅地に囲まれている点です。 敷地周辺だけでなく、イーアス春日井とアクロスプラザ春日井の間にも住宅が存在しており、車両の通行音や夜間の往来は、生活環境に直接影響を与える可能性があります。


夜間・住宅地への配慮策

このような立地条件を踏まえ、施設側では夜間に以下の対策を実施しています。

21:00以降:

  • オーバーブリッジを含む複数の出入口を封鎖
  • 国道19号線・長野方面への出入口のみ使用可能
  • 立体駐車場の利用時間を制限

これにより、住宅地側への車両流入を抑制し、住環境への影響を最小限に抑える配慮がなされています。

なお、イーアス春日井の建設工事中においても、搬入車両は国道側からのみ進入するルールが徹底されており、地域への影響を強く意識した運用が行われていました。


まとめ:立地そのものが渋滞を生みやすい

国道19号線は、施設が存在しなくても慢性的に混雑している区間です。 その場所に、約2,400台規模の商業施設が加わっています。

仮に、ピーク1時間あたりに全体駐車台数の3割が入出庫すると仮定すると、

  • 約700台/時間の車両流入・流出

が発生します。 これは、一般的な信号付き道路の片側1車線が1時間で処理できる交通量にほぼ匹敵し、実質的に1車線を占有するインパクトを持ちます。

このため、イーアス春日井・アクロスプラザ春日井周辺の渋滞は、個別の運用ミスというよりも、立地条件と道路構造によって生じる構造的な渋滞といえます。


利用者への案内(実用的な回避策)

来店前には、公式サイトでの混雑情報を確認することをおすすめします。 ▶ https://kasugai.iias.jp/

満車の場合は、現地に到着しても入庫できません。

アクセスの目安

  • 名古屋方面から来る場合  → アクロスプラザ側出入口を利用し、施設間連絡道路経由でイーアス春日井へ

  • 長野方面から来る場合  → オーバーブリッジを利用

※南西側の入口からも進入可能ですが、右左折が多く、初めて利用する場合は避けた方が無難です。


イーアス春日井 駐車場混雑状況(実績)

日付 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時 18時 19時 20時
2026/1/31
2026/2/1

駐車場実績ログ


参考文献

  • 愛知国道事務所「国道19号の特徴」
  • 令和4年度 第1回 愛知県道路交通渋滞対策推進協議会(2022年9月8日)
  • KINDAIKENCHIKU DEC, 2021

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