前回、「万博外周道路に乗ったらどこから来ても確実にアクセスできる!」と書きました。
エキスポシティ駐車場 完全攻略ガイド | 迷わず入庫できる4ルート徹底解説 - asklib
それなら、設計の段階ですべての車を外周道路からのみ出入りさせたらシンプルでは?と思った方もいるかもしれません(いないかなw)
実はですね、計画案を見ていったら、一番最初はなんと駐車場の出入り口はこの万博外周道路だけだったんです!いやー、びっくりしました。

確かにシンプルですね!出入口が外周道路だけで、3か所に出入口を並べて設置する計画でした。
でも、ふと考えたんです。なぜこの計画を変更したのか……
結論として、車の出入りが外周道路だけでは処理能力が足りないから!という推測に至りました(どこにも書いていないので完全に妄想ですが)。
当初計画の問題点を検証してみる
処理能力の計算
万博外周道路は2車線~4車線あるので、自動車専用道路(片道2車線)として計算すると、私の中では3,600台/時が流せる限界です。
駐車場の台数が4,100台の現行で考えると、数字上はなんとか耐えられそうな気もします。
しかし、問題は出入口が3つ連続して並ぶことです。
実際の処理能力はもっと少ない
単純に1つの出入口から出られる台数を800台と考えると、3つで2,400台/時……まだなんとかなりそうです。
ところが、現実はそう甘くありません。
- 1つ目の出入口で入庫→出てきて
- 2つ目の出入口で入庫→また出てきて
- 3つ目の出入口で入庫→また出てきて
つまり、出る車と入る車が絶えず交差するわけです。
交差の影響を考慮して車が出られる台数を考えると
- 1つ目の出入口:400台/時(次の入り口の車と交差するため半減)
- 2つ目の出入口:400台/時(同様に半減)
- 3つ目の出入口:800台/時(次の入り口がないのでフル活用可能)
合計:1,600台/時
うーん、数値上でも厳しくなってきました。
さらに深刻な問題
【危険】事故誘発リスク
出入口が3つ並んで、しかも混雑状況となれば
- 車線変更の嵐
- 駐車場待ちの車による後続車への影響
- 事故のリスクが格段に上がる
【渋滞】周辺交通への影響
万博外周道路はエキスポシティだけではありません
- 目の前のガンバ大阪のスタジアムもある
- 通過するだけの車も多数
- この大混乱に巻き込まれて、周辺全体が渋滞する
いやー、当初案はこう考えると結構厳しいですね(汗)
実際の設計はどう変更されたか

現実の世界では、以下の改善が行われました:
- 中央環状線の西側(千里中央側)からの直接ルートを追加(前回記事のルート3に該当)この道を施設全体の43%の車が使う
- 万博外周道路をブリッジで繋いで南側の「茨木摂津線」と結ぶ(前回記事のルート4に該当) この道を施設全体の10%の車が使う
- ブリッジを利用して中央環状線の左側車線に出入口を作成
改善後の処理能力は?
当初案の1,600台/時に加えて:
合計:1,600 + 400 + 200 + 800 = 3,000台/時
おー!現実的な数値になりました。しかも出入口が分散して、交差による支障も大幅に軽減されています!
まとめ:複雑さには理由があった
当初はシンプルで美しい設計でしたが、「実際に作ったら大渋滞と事故多発になってしまう」ことを想定して改善されたのだと思います。
公式文書でこういう話を見つけることはできませんでしたので、完全に妄想の域を出ませんが……妙にしっくりきませんか?(笑)
現在の「複雑に見える道路構造」は、実は渋滞分散と安全性確保を両立させた高度な解決策だったのかもしれません。
「なぜこんなに道が複雑なの?」という疑問の答えは、「シンプルにしたら破綻するから」だったのですね。
完全妄想でお送りしました(笑)
記事のご紹介
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参考文献
(仮称)エキスポランド跡地複合施設開発事業 環境影響評価提案書 要約書 平成24年6月 三井不動産株式会社 エキスポランド跡地複合施設計画~交通部会 参考資料~平成25年2月14日三井不動産株式会社
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