今回は、令和5年度の空港整備予算をネタに、数字と現実のギャップをじっくり味わってみたいと思います。
令和5年度 空港整備予算の中身
国交省資料より、令和5年度の自動車安全特別会計 空港整備勘定の支出状況を見てみます。
| 空港名 | 支出額(億円) |
|---|---|
| 羽田空港 | 670 |
| 成田空港 | 159 |
| 関西国際空港等 | 40 |
| 中部国際空港 | 30 |
| 一般空港等 | 801 |
| その他周辺対策等 | 275 |
なんと、羽田+成田で約830億円。
全国すべての「一般空港等」向け予算と、だいたい同じ額です。
旅客数で比べてみよう
じゃあ、「それだけ旅客数が多いからでしょ?」って話になると思うので、同年度(令和5年度)の乗降客数(国内線+国際線)を見てみましょう。
| 空港名 | 乗降客数(万人) |
|---|---|
| 羽田空港 | 8,086 |
| 成田空港 | 3,381 |
| 関西空港 | 2,866 |
| 中部空港 | 1,259 |
確かに羽田は日本一、成田も多い。でもね――
関空、成田と500万人差で、予算は4分の1以下。
中部も1000万人超えてるのに30億円ぽっち。
…これはちょっと、旅客数比で見ておかしいよね。
言い分:「羽田は地盤沈下対策」「成田は再整備」
国側の説明は一応あります。
確かに重要です。インフラの老朽化や地盤問題は放っておけません。
でも、それなら言いたい。
だったら関空は?人工島が沈んでるけど?
- 羽田:地盤がちょっと沈む → 670億円
- 関空:島ごと沈んでる → 40億円
……ねぇ、おかしくない?w
しかも、関空は「高潮対策」なども急務。台風被害や孤立リスクも抱えてるのに、後手後手にされている感が強い。
中部空港は仮設滑走路を民間で建設
さらに中部国際空港では、新滑走路が仮設で民間施工。
公共インフラなのに、税金がほぼ使われていない。
え、成田のターミナル整備には国費バンバン出すのに?
中部は自腹ですか?民間で頑張ってね、ってこと?
……いやいやいやいや、あまりに差が激しすぎるでしょ。
「国有だから」という大義名分のカラクリ
まぁ成田と羽田は実質国有で民間所有の空港ではない、という大義名分はあるんでしょう。
でも、じゃあそれ以外の地方空港はどうなんだというツッコミw
地方空港の多くも国が管理しているところが大半なのに、予算配分は雲泥の差。結局、「国有」という理屈は建前で、実際は東京圏への集中投資が本音でしょう。
地域活性化とは?
ここで思い出してほしいのが、政府が言う「地方創生」。
地域のインフラ整備こそが、人口減・経済縮小時代に不可欠なはず。
なのに、現実はコレ。
東京の空港には数百億円投下、地方空港には「頑張って維持してね」くらいの温度感。
ほんとに活性化させる気、ある?
会計処理の透明性も問題
国民の税金で作る資産なんだから、恩恵もバランス取らないと。
工事が「資産」になるなら、会計上で固定資産に充てて減価償却のバランスシート作るべきでは?
どの空港にどれだけ投資して、どれだけの経済効果があったのか。投資対効果を明確にして、国民に説明する責任があるはず。
まとめ:数字は正直
羽田・成田で830億円、全国の一般空港等で801億円。
この数字が、日本の地域格差拡大の一因を物語っている。
参考資料 令 和7年度航空局関係 予算概算要求概要 令和6年8月国土交通省航空局 https://www.mlit.go.jp/page/content/001760287.pdf
参考資料 令 和7年度航空局関係 予算概算要求概要 令和6年8月国土交通省航空局 https://www.mlit.go.jp/page/content/001760287.pdf