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ショッピングモールの渋滞がなぜ発生するか構造的に分析

宇都宮インターパークはなぜ渋滞するのか No.1 国道4号線編

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国道4号線と「なんでもあり開発」が引き起こす予想外の問題 ―

宇都宮市の南端にある宇都宮インターパークは、ショッピングモール、工場、病院などが集まった大きな開発エリアです。北関東自動車道インターチェンジに直結しており便利そうに見えますが、実際にはひどい渋滞が起きています。

なぜこんなに渋滞するのか?答えは国道4号線を渋滞させるわけにはいかない」から、インターパーク周辺から車が出られないのです。

国道4号線の正体:トラックの高速道路

インターパークの東側を通る国道4号線、実はこれ、普通の道路じゃありません。関東と東北を結ぶ物流の大動脈なんです。

インターパーク宇都宮MAP

どれだけ交通があるかの測定データより

  • 1日に7万台以上の車が通る
  • 昼間に走る車の5台に1台は大型トラック
  • 平均時速は60km以上

つまり、買い物客の乗用車が走る道路というより、トラックが荷物を運ぶ道路みたいなものなんです。ここに買い物目的の車を混ぜるのは、そもそも無理がある話なんですね。

さらに国道4号線は、信号による渋滞をさせないために、高架橋で車をスムーズに流すようにできているんですが、そのかわり側道との合流が多くて、合流のたびに車が詰まるんです。

合流と分岐が次々と続いていて、「ここで車線変更しなきゃ」「あ、また合流だ」の繰り返し。右側車線は早くても左側の車線の速度が落ちやすいお手本です。

交差支障

何でもある便利さの落とし穴

インターパークは、ただのショッピングモールだけじゃありません。周りには工場や物流センターもたくさんあって、工場のトラックが頻繁に出入りしています。

「何でもある」のは便利ですが、それぞれに必要な交通の流れが全然違うんですね。トラックがスムーズに走れる道路と、家族連れが安全に買い物に行ける道路は、本来別々に作るべきなんです。でも現実には同じ道路を使うので、お互いが邪魔し合って、予想外の渋滞や事故の危険が生まれてしまいます。

市境の壁:連携の難しさ

さらに厄介なのが、国道4号線のインターパークの南側がすぐに宇都宮市から上三川町に変わります。

行政区分が変わるからか南側からインターチェンジに向かうには、一度側道に降りてから合流しなければならず、とても使いにくい構造になっています。

今、この南側に新しい「道の駅」を作る計画が進んでいますが、宇都宮市と隣の町がうまく連携できなければ、道路はもっと複雑になり渋滞しやすくなります。

まとめ

宇都宮インターパーク周辺の渋滞は、単純に車が多いからではありません。

トラックの高速道路に買い物客が混じる構造的な問題信号のない道路なのに合流で詰まる設計の矛盾、そして市町村をまたぐ道路計画の調整の難しさ

これらが重なった結果なんです。

便利さを追求した結果生まれた、予想外の問題。それが宇都宮インターパークの渋滞の正体なのです。

参考文献

  • (仮称)道の駅かみのかわ基本構想 上三川町
  • 工業団地の用途転換による大規模商業集積に関する研究 城間 奨ほか (社)日本都市計画学会 都市計画論文集 No43-3 2008年10月
  • 栃木県 地域の主要渋滞箇所(一般道)
  • 令和3年度 一般交通量調査結果(可視化ツール)

施設基本情報

項目 内容
施設名 宇都宮インターパーク
都道府県 栃木県
運営会社 福田屋百貨店
敷地面積(m2) 227,847
延床面積(m2) 98,000
賃貸面積(m2) 62,600
開業日 2003/7/21
映画館
駐車台数 8,800
駐車料金 無料
最寄駅 雀宮駅
距離(m) 3,400
最寄り高速 北関東自動車道
最寄りIC 宇都宮上三川IC
ICからの距離 1,490
入口の数 20
駐車場の数 3
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