こんにちは!今日はちょっとだけ、暮らしと税金と文化のお話です。
最近、本を買うとき、どうしてますか?
「大手の通販サイトでポチっと。楽だし、早いし、ポイントもつくし。」
うん、わかります。便利なんですよね。でも、ふと立ち止まって考えてみたんです。
「これって…本当に、日本のためになってるのかな?」
📖 日本の本は「どこで買っても同じ値段」
実は日本では「再販制度」という仕組みがあって、本の値段は全国一律。つまり、
近所の本屋さんでも、大手の通販でも、同じ金額。
じゃあ、便利な通販のほうがいいじゃん?と思うのが自然。
でもね、「同じ金額でも、誰にお金が渡るか」はまったく違うんです。
💸 本を買ったとき、お金の行き先は?
たとえば、定価880円の新書を買ったとします。(税金入れて968円ですね)
🛒 大手の外国通販で買った場合
- お金の一部が海外の本社に流れる
- 日本に入るのは、消費税ぐらい
- 地元の本屋さんや、働く人には一円も回らない
🏪 近所の本屋さんで買った場合
🧾 「同じ本」を買っているのに、未来が変わる?
あなたが本を買ったその968円。
どこで買うかによって、
- 地元のお店が元気になるか
- 税金が地域にちゃんと残るか
- 次の世代に本屋という文化が残るか
…そういったじわじわと効いてくる未来が変わってくるんです。
📚 まとめ:たまには、書店で
もちろん、通販を完全にやめるのは難しいし、便利さも捨てがたい。
でも、たまにでいいんです。
- 週末のお散歩ついでに寄ってみる
- お子さんと一緒に絵本コーナーをのぞいてみる
- 見知らぬ1冊と偶然出会ってみる
その小さな「寄り道」が、本と文化と地域の未来を支えてるかもしれません。
📌どこで買うかが、誰を応援するか。
今日の1冊、ちょっとだけ「買い方」を選んでみませんか?
📋 この記事のアカデミック・政策的裏付け
再販制度について
日本の書籍・雑誌は「再販売価格維持制度」(再販制度)により、昭和28年以来、独占禁止法の適用除外となっており、全国どこでも定価販売が行われています。出版社が書籍、雑誌の定価を自社で決め、書店などで定価販売ができる制度で、どの地域や書店でも本が定価で販売され、価格競争が起きず、小さな書店でも他店と同一の価格で販売できる仕組みです。
書店の文化的・経済的価値
経済産業省では、街中にある「書店」は、多様なコンテンツに触れることができる場であり、創造性が育まれる文化創造基盤として重要であるという認識の下、令和6年3月に「書店振興プロジェクトチーム」を立ち上げました。
経済産業省の書店振興プロジェクトチームは、書店特有の課題を29項目にまとめ、その中には来店客数の減少、粗利率を抑制する流通慣行、再販制度によりコスト転嫌が困難といった問題が挙げられています。
再販制度の文化的意義
文化庁では、再販制度は、国民のニーズ(需要)の多様化・高度化に応じた多種多様な著作物を、身近な場所において容易に確実に入手できる環境の整備に寄与するとしており、書店は、返品が保証されることにより、在庫抱え込みリスクが軽減されることで、需要の多くない専門書等でも店頭に並べることができ、世界でも類をみない小部数で多様な書籍が刊行されている環境を支えています。
参考文献・情報源
- 一般社団法人 日本書籍出版協会「再販制度」
- 文部科学省「平成18年版 文部科学白書 第2部 第9章 第1節 7.著作物の再販制度」
- 経済産業省「『関係者から指摘された書店活性化のための課題(案)』を公表します」(2024年10月)
- 新文化オンライン「経産省PT、書店活性化の課題29項まとめる」(2024年10月)
- Wikipedia「再販売価格維持」(2024年11月更新)
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